イベントレポート

レポ(&Twitter実況)担当スタッフPのレポートです。

2014/10/16 5回目「あーるじゅうはちとしゅーせー」

一般参加者は女性4名、それにスタッフ2名を加えた合計6名の参加がありました。
今日のテーマは「あーるじゅーはちとしゅーせー」。 同人誌製作やイベント参加にあたってよく問題になる「わいせつと成人向け」の扱いに関して、実習をまじえてわかりやすく解説していきました。
今回参加者の席に用意されたのは、白と黒の短冊状のテープ。さて、何に使うのでしょう…。疑問が残るまま、解説が始まりました。
まず最初に解説されたのが「わいせつ」「成人向け」「児童ポルノ」の違いについて。 この違い、ベテランサークルやイベントスタッフでも正確に理解している人は少ないんですね。 これらの3つはそもそも法律・条例が異なり、わいせつは刑法175条、成人向けは都道府県の青少年健全育成条例、児童ポルノは児童ポルノ法で規定されています。 また、わいせつ物は「作成はできても公開・頒布や頒布目的所持が不可」、成人向けは「作成も頒布目的所持も可だが、公開・頒布は18歳以上のみ」、 児童ポルノは「作成も公開・頒布も頒布目的所持も不可」となっております。ここでいう「頒布」とは、有償無償問わず配って広く行き渡らせることをさします。
※講師担当スタッフより:ここでいう児童ポルノは「実写」の話です。あとでちゃんと解説していますが、念のため。
また、性的度合いは「わいせつ」の方が「成人向け」よりも大きくなります。 よって「わいせつ」な創作物は修正をすることで「成人向け」の創作物として頒布できるようになりますが、 「成人向け」は修正の必要ない創作物に適用されることがあります。
修正の範囲は、社会的情勢によって変化します。また、絵の上手さや精密さ、芸術性、学術性などによっても判断が分かれます。 したがって、同人誌即売会では、直近の商業誌を参考にし、それよりも厳しめに基準を決めることが多いです。 最終的な判断は警察のさじ加減となることが多いのですが…。
さて、成人向けの著作物の場合、公開・頒布は18歳以上に対してのみ可能となりますので、頒布の際に対象者に年齢確認を行う必要が生じます。 ここで「18歳の高校生の扱いはどうなの?」という疑問が生じますが、実はこれ、条例では何も規定されていません。 また、「18歳未満の漫画家が成人向け漫画を描いた場合はどうなるの?」という疑問もありますが、 これは条例が想定していないケースのため罰せられないそうです。
一方、児童ポルノ法は、わいせつや成人向けとは異なり、漫画や小説などの創作物には適用されません。 ただし、写真集の場合は、被写体の実年齢によっては適応される場合があります。 コスプレ写真集などでは要注意です。いずれにせよ、対応策は「児童ポルノとみなされる創作物を作らない」ということになります。
※捕捉:児童ポルノとみなされる創作物=実写での児童ポルノ=児童虐待証拠物になることに注意
これらの違いをまとめた穴埋めノートが参加者に配られ、解説を聞きながら表や文章の穴を埋めていくことで、 規制に関する法律・条例の違いが理解できるようになっております。
会の後半は実習。男性器・女性器を模した図形の描かれた実習シートが参加者に配られ、このシート上で実際に修正をしてみることに。 ここで先ほどの白と黒の短冊テープの出番です。このテープを使って実際に黒塗り・白消しでの修正を体験してみようというわけです。 参加者は戸惑いながらもシートにテープをぺたぺた貼っていました。
なお、性器の修正手法は、黒塗り・白消しの他に、シルエット表現にしたり、液体の描写で隠す「汁飛ばし」や描き文字による隠しなど、 さまざまな方法があることが紹介されました。以前はスクリーントーンを貼る手法も用いられていましたが、現在は修正とはみなされなくなっています。 これもまた、修正の範囲が社会的情勢で変化する例と言えるでしょう。
最後に、今回説明したわいせつ・成人向けと修正に関する動向は、あくまでも現在の状況をもとにした解説であり、 今後の情勢で基準が変わる可能性がある点に注意です。常に最新の情報を調べておく必要がありますね。
というわけで、かがどう第5回目は無事終了。ちょっと難しいテーマでしたが、参加者の皆さんお疲れ様でした。

2014/09/06 4回目「キャラクターとストーリー」

今回から会場をITビジネスプラザ武蔵に移しての開催です。参加者は合計8名です。
今日のテーマは「キャラクターとストーリー」。 漫画や小説のストーリーを書くにあたって核になるのがキャラクター。その設定の作り方についての説明です。
まず、キャラクター設定について例としてあげたのがドラえもんとドラクエIIIの勇者。 前者は誰でも知っている国民的人気漫画のキャラクターで、性格も多くの人の知るところ。 かたや国民的人気RPGの主人公でありながら、ゲーム内でほとんどしゃべらないため、キャラクターの細かい設定はプレイヤーの想像の余地があるのが特徴です。
既存作品の二次創作の場合、既存の設定から大きく外れたキャラクター設定は難しいもの。 多くの人が知っている「ドラえもんはドラ焼き好き」という前提設定を外して「ぼくドラ焼きよりもバナナが好き」とか言わせてしまうのは、読者が戸惑ってしまいます。 ドラクエIIIの勇者であれば、好きな食べ物などの細かな設定は自由に作り出せても、やはりゲームの描写から大きく外れた設定は無理が生じてしまいます。 その点、オリジナルキャラクターなら自由に設定を作れます。そこがオリジナル創作の難しくも面白いところです。
そのオリジナルのキャラクターを作る際、よくやりがちなのが「長所ばかり設定してしまう」。 これだと無敵キャラになってしまい、いざストーリーを書こうとしても話が膨らまなくなってしまいます。 むしろ長所だけでなく短所も設定した方が話が膨らみやすいです。 例えば「流しの女PCサポーター」というオリジナルキャラクターなら「キーボードを壊されると無力になる」といった弱点を設定しておけば、そこから新たなストーリーが浮かびやすくなります。
また、「かがどう」1回目でも説明した「起承転結」の話に再び触れました。 二次創作では「起」の部分はあまり書かなくて済むため、二次創作慣れした人がオリジナル作品を書くと、いきなり「承」から書いてしまうケースが見受けられます。 つまり、キャラクターの特徴の説明もないまま話が進んでしまうのです。 これだと、どんなキャラクターが何をしているのか読者には意味不明になるので気をつけるよう説明されました。

ここまで説明をした上で、後半ではいざ実習。参加者各自でキャラクターを作って性格を設定してみます。ここで出されたキャラクター設定のヒント。
・弱点や短所を考えてから長所を考えるとよい。
・弱点は長所の裏返し。長所をあえて弱点として説明してみる。
30分ほどで参加者はキャラクターの姿と設定をA4ケント紙1枚にまとめました。そしてそのキャラクターを他の参加者の前で説明します。 皆さん絵が上手い。そして限られた時間の中で設定をよく考えてます。 人前で発表するのに慣れていない参加者もいましたが、これも経験ということで、皆さん頑張って発表しておりました(笑)。
というわけで、かがどう第4回目は無事終了。参加者の皆さんお疲れ様でした。 次回はちょっと真面目なテーマで「あーるじゅうはちとしゅーせー」で開催予定です。

2014/07/05 3回目「スペース設営術」

午後1時よりベルセル4回で開催。参加者は3名とちょっと少なめ。 コミケ原稿時期などとかぶっていたのでちょっと難しかったかも。
今回はスペース設営術ということで、即売会でよく使う机を用いて本や展示台を色々並べ、 一般参加してんだとどう並べると見栄えがいいかなどを話し合いました。
また、敷き布のあるなしの違いも比較。これは机の下にあるダンボールなどの荷物やサークルの足元を隠す効果もあります。 もちろん、布の色合いなどでサークルのカラーを出し、作品を引き立てる効果もあるという実験をしました。 この表紙を目立たせたいならこの色!というのも、実際並べて一般参加者視点になってみるとわかりやすいですね。
あと、100円ショップの道具だけでポスター立てをどうやって作るか?という実験も。A2ポスターまでは500円位で作れそう。

……と順調そうに話は進んでいたかに見えましたが、この会場、空調がありません(!)。
あまりの暑さに全員バテ気味。というわけで、申し訳ありませんが会場を早めに撤収し、今後会場をどうするかという話し合いを。
夏場のクーラー無しはキツイ!冬場暖房なしは辛い!というわけで、次回以降会場を変更することになりました。
新しい会場を決めて、告知したいなと思います。

※2回目はレポ担当スタッフP欠席のためありません。ごめんなさい。

2014/04/05 1回目「短い話を創ろう」

4月5日(土)午後1時から、金沢のオタクビル・ベルセル4階にて、同人誌作成に関するワークショップ「かがやけ!どうじんし」第1回を開催し、 参加者・スタッフ計6名が参加しました。
まずは参加者同士で自己紹介。活動ジャンルや同人誌作成のレベルも様々なメンバーが集まりました。
さて、今回のワークショップのテーマは「短いお話を創ろう」。
一枚イラストはかけてもストーリーが作れなくてマンガは描くのが苦手という人が多いので、そんな人に役に立つ話を色々させていただきました。 マンガの面白さと絵のうまさはあまり関係がなく、むしろストーリーがしっかりしてるかどうかの方が大事。 しかし、そのストーリーの作り方は、慣れていなければわからないもの。
マンガでのストーリーの構成法にはいろいろありますが、基本の一つとして「起承転結」について説明。 ただし、一次創作と違い二次創作の場合「起」の部分が簡潔になることも多いです。これはキャラクターの設定が二次創作ということで共有されているため 説明を省いても問題がないというところが大きいです。
また、絵を描く前にストーリーを文章化して読み返して、冗長な描写をそぎ落とす作業が大事という話も。 書いているとどうしてもストーリーに酔ってしまい余計な描写に気づかないことも多いので、後から読み返すことも大事。
そして、面白い漫画を書くには、とにかく数多くお話を書いて経験を積むことが重要です。
今回、お話を作るために有効な道具として今回取り上げたのが4コママンガ。 書きたいお話をいかに4コマにまとめるかが問われる4コママンガはシンプルで奥が深く、ストーリーの構成力を磨くには格好の素材です。

さて、いくらストーリーを作ろうにも、どうやってアイデアを出せばいいのかみんな悩むものです。 そこでみんなのアイデア発想法を情報交換。 他の映画やドラマなどから発想を得るという回答もある中、スタッフの一人はドライブ中にiPhoneの音声メモで記録していたと紹介して、 他の参加者には驚きがあったようです。
最後は実習。
実際に各参加者が4コマ漫画のネームを切ってみることに。
マンガを描き慣れていない人も多かったのですが、それぞれ創意工夫を凝らして4コマで簡単なストーリーを作っていました。
描いた後は参加者同士で回し読みして感想を書いてもらいます。他の人の作品を読んで発想法や見せ方などいろいろ参考になり、 また、他の人から意外な感想をもらって参加者の励みになっていました。

これで「かがどう」第1回は終了。 あまり堅苦しくなく雑談も交えながらの進行でしたが、参加者にとっては有意義な内容に感じていただけたようで、主催側としてもほっとしております。
第2回以降もよろしくお願いします。